やさしいビタミンCの知識

ビタミンCの栄養成分表示と栄養強調表示って?

「ビタミンCを補給できる」ことを標榜(強調表示)する場合には,食品表示法に従って栄養成分表示を行う必要があります.

強調表示した製品の栄養成分値は,配合量ではなく,定められた試験法で分析した数値です.ビタミンCは,食品加工の工程や製品の保存中に少しずつ減少するため,表示値には,許容差が定められています.ひとつの数値で表示する場合には,その数値の80~180%の中に分析値が納まります.一方,ひとつの数値で表せない場合には,〇〇~〇〇mgのように範囲表示で記載します.分析値が表示値を逸脱した場合には,法令違反となります.

「レモン何個分のビタミンC」の表記をよく目にします.これも強調表示に該当します.この表記によるレモン果実1個当たりのビタミンC量は「20 mg」です.果皮も含むレモン1個分のビタミンCは約50 mgですが,1個分の果汁には約20 mgと考え,算出根拠にしています.この場合も,上述のように「分析値に基づく値」により,栄養成分表示が義務付けられます.

栄養機能食品の基準(摂取目安量において35~1,000 mgのビタミンCを含有)を満たす場合には,メーカーは任意で製品に「栄養機能食品」と表示できます.機能表示は,すべて一律で『ビタミンCは,皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに,抗酸化作用を持つ栄養素です.』と記載することになっています.

緑茶や紅茶など,多くの飲料にもビタミンCが配合されています.それは,ビタミンCの抗酸化作用により他の成分の酸化を防ぎ,風味などの品質を保持してくれるからです.ビタミンCを原材料で表示していても,栄養成分表示をしない製品もあります.製品にもよりますが,製造から時間が経ってない500 mLペットボトルのお茶であれば,100 mg程度のビタミンCが含まれています.

[山本 憲朗]