やさしいビタミンCの知識

ビタミンCってどんな構造? なぜグルコース(ブドウ糖)に近いの? 他に似たようなものってなに?

ビタミンC(C6H8O6)とグルコース(C6H12O6)の化学構造を比べてみましょう.化学式が苦手という人もおられるでしょうが,気にせず形だけを見てください.両方とも炭素(C),酸素(O),水素(H)の3種類の原子が結合してできています.炭素に番号をつけましたが,両方とも6つの炭素(C)がまっすぐにのびて,炭素に結合している原子を見ても全体として何となく似ています.

ところでビタミンとは何でしょうか?ビタミンは生命維持に必須でありながら自分の体内では合成できないか,必要量合成できない少量の有機物です.ですから,生物の種類によってビタミンは異なります.ヒトは食物連鎖の頂点に立つなどと偉そうなことをいいますが,ビタミンの種類は13種類と最も多く,外界に最も依存する生物です.ほとんどの微生物はグルコースさえあれば生きていけるのと対照的です.

ビタミンCはヒトやサルにはビタミン,つまり体内で合成できませんが,他のほとんどの哺乳類にとってはビタミンではありません.ウシもライオンもグルコースから肝臓の酵素によって少しずつ形を変えてビタミンCを合成できるのです.ですから形が似ています.ビタミンの合成については「動物もビタミンCを作るの?なぜヒトはつくらないの?(公開予定)」をご覧ください.

牛乳は栄養豊富な食品ですが,ビタミンCはほとんど含まれていません.グルコースとタンパク質さえ与えれば子牛が自分で合成できるためです.また,ライオンは肉ばかり食べますが,肉のタンパク質を消化酵素で分解して生成するアミノ酸からグルコースを作れるのです.細胞では2万種類ほどの酵素(タンパク質)が色々な化学反応を行って,このような化学変換(代謝といいます)を行っています.

天然に存在するビタミンCに似たものについては,「ビタミンCアナログ化合物って何? Cと同じ働きなの?(公開予定)」をご覧ください.

[小城 勝相]