やさしいビタミンCの知識

どれくらいのレベルからビタミンCの欠乏症状が出るの?

私たちはビタミンCをからだの中で作ることができません.そのため,毎日の食事からビタミンCを十分に摂取しなければ,やがてビタミンCの不足や欠乏状態に陥ります.そして,様々なからだの不調が生じます.ビタミンCの欠乏症は壊血病と呼ばれます.壊血病の症状は,初期に皮膚の乾燥や脱力感,そしてうつ状態がよく見られます.その後,太ももなどの大腿部に大きなあざが現れるようになり,毛穴の周囲から点状の出血が起こります.症状がさらに進むと,歯ぐき,消化管,粘膜からも出血が見られ,やがてからだの至る所から出血して死に至ります.壊血病は体内のビタミンC貯蔵量がおよそ300 mg以下になると発症します.ヒトは通常,体内におよそ1,500 mgのビタミンCを貯蔵しておりビタミンCをまったく含まない食事を約60~90日間摂った場合に300 mg以下になると考えられています.壊血病は,食物が豊富な先進国でも毎年報告されています.

[石神 昭人]