食事摂取基準(2020年)におけるビタミンCの推奨量(12歳以上)は,100 mg/日(妊婦10 mg,授乳婦45mg,喫煙者35mgを加算)ですが,健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限である耐容上限量は定められていません.一度にたくさん(3,000 mg以上)摂取すると下痢などの症状を生じることがありますが,医療分野では数十グラムのビタミンCを静脈投与する治療法(保険適用外)があるくらいビタミンCはとても安全です.一般用医薬品では,15歳以上の1日最大服用量を2,000 mgとしています.食事摂取基準(2020年)では,ビタミンCの耐容上限量を設定しませんでしたが,一方で『通常の食品から摂取することを基本とし,通常の食品以外の食品から1,000 mg/日以上の量を摂取することは推奨できない』と記述しています.
発熱性疾患や炎天下での重労働などのように要求量が高まるときには,たっぷり摂ることをお勧めしますが,普段の生活においては1,000 mg程度までとするとよいです.
ビタミンC飲料においては,ビタミンCの摂りすぎによる健康障害リスクはありませんが,他の清涼飲料水と同様に栄養成分表示をよく確認して「糖類の摂り過ぎ」にならないよう意識してください.
[山本 憲朗]